ハートヒルかわげ(特養)です。
11月27日に三重県営サンアリーナで開催された「ICT・介護ロボット展示会」へ、当施設統括および施設長が参加してまいりました。
今回の参加目的は、介護現場の業務効率化や職員の負担軽減につながる最新のICT機器や介護ロボットの動向を把握することでした。
会場では、見守りセンサー、記録支援システム、移乗支援ロボットなどの新製品を実際に操作しながら比較することができ、それぞれの運用方法や導入コストについても詳しく確認してきました。

株式会社FUJI 移乗サポートロボット Hug
介護者にとって身体的・精神的な負担が大きい移乗動作を、安全かつ簡便にサポートできる移乗支援ロボットも注目の機器でした。
特に「抱え上げない介助」を実現することで、腰痛リスクの低減や介護負担の軽減、介助時間の短縮などが期待でき、さらに利用者様の尊厳保持や自立支援にもつながる点が大きなメリットです。
また、防水型モデルでは浴室での入浴介助や立位保持のサポートが可能となっており、入浴場面での安全性向上や負担軽減にも役立つと感じました。

マッスル株式会社 移乗アシスト SASUKE
ベッド⇔車いす間の移乗介助を機械で支援する移乗支援ロボットは、介助者の身体的負担を大幅に軽減できる可能性があると感じました。特に、体重のある利用者様の移乗や、これまで2人で行っていた介助を「1人+機器」で対応できる点は、人手不足対策・腰痛予防・介助動作の安定化につながると期待されます。
また、専用シートによる耐圧分散や、安定した抱き上げから着座までの動作により、利用者様の安全性と快適性にも十分配慮された設計となっていました。



さつき株式会社 前広便座 ZA FREE
従来の便座に比べ、座面の奥行きや前方スペースにゆとりがある設計になっており、排泄時の安定性・安全性の確保がしやすくなっていました。また、温水洗浄機能やシャワー機能を備えたモデルもあり、ストーマケアやオムツ交換など、排泄介助が必要な方にも幅広く対応できます。
さらに、既存の便器が規格を満たしていれば便座交換のみで導入できるため、施設の大規模な改修工事を行わずに導入可能な点も大きな魅力だと感じました。

CANON まかせてIT 介護ソリューション
介護施設で行われる介護記録・ケア記録・利用者情報管理などをデジタル化・統合化するICTソリューションも紹介されていました。これにより、記録作業の効率化、情報共有の迅速化、業務負担の軽減、安全管理の強化といった取り組みをワンストップで支援してくれるサービスとなっています
導入にあたっては、システムの選定から導入支援、職員研修、運用保守まで手厚いサポートが受けられるほか、補助金や助成金の案内・申請サポートも用意されており、初期コストの見通しを立てやすい点も大きな魅力です。
こうしたICT化により、介護職員が本来のケア業務に集中できる環境づくりや、記録管理の適正化・安全性の向上が期待されます。


今回の展示会を通じて、介護分野におけるICT化・ロボット技術の進歩を改めて実感しました。特に、移乗・排泄・記録といった日常介護の中でも負担の大きい領域において、現場の課題解決に直結する具体的な製品を多く見ることができたことは、大きな収穫となりました。
これらの機器は、介護現場の三大負担である移乗・排泄・記録に対し、実用性の高い解決策として期待できるものばかりで、施設の状況や課題に合わせて段階的に導入を進めることで、利用者様の生活の質の向上と職員の負担軽減の両立が可能になると感じています。
今後は、実際の運用環境や費用対効果を踏まえつつ、導入の優先順位を整理しながら、慎重かつ前向きに検討を進めてまいります。

